青い弾丸ツアー|山梨県-富士山

山登り
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憧れの富士山に

日本人であれば誰でも一回は「富士山に登ってみたい」 と思ったことがあるはずです。それでも中々行かないのは、その噂される辛さと登れる期間が限られているからでしょうか?周囲に聞いてみても登山経験者は意外と少ない。自分は兼ねてから登ってみたいと思っていたが、一人富士山はかなり寂しい感じがするので止めていた。そんな話をしていると仲間達の中にも同じ考えをしている人が多いらしく、「ならみんなで行っちゃう?」的なノリで今回の富士山青い弾丸ツアーが開催されることになった。「青い弾丸ツアー」と名付けたのは、B’zが好きなことと、その行程にある。

金曜日会社終わりでそのまま富士山直行。登山。下山。帰宅。38時間程一睡もせず、高速走らせて、登って、下りて、高速走らせる訳である。これを弾丸といわずして何と言う? 「ブーメランツアー」「とんぼ返りツアー」・・・やっぱり「青い弾丸ツアー」の方がかっこいい!

希望者を会社の中で募ってみると結構な人数が集まった。総勢12名。今回の登山では誰一人欠けることなく頂上登頂を目指すが、これだけの人数が居るとさすがに脱落者も出るかもしれない。その脱落者に自分がならないようしないといけないが、今回のメンバーの中では最年長ということで嫌な予感もしたりする。しかし若いものには負けないよう密かに練習を積み重ねてきた。

  1. 高尾山登山
  2. 筑波山登山
  3. 乗鞍岳登山
  4. 近所の公園で飯盒炊飯
  5. 風呂の中で息止練習
  6. 炎天下10kmマラソン
  7. 節煙・節酒←殆どやってない(汗)
  8. イメトレ
  9. 登山ショップ通い←散財しました・・・。
  10. 富士登山ブログの読み漁り

全てはこの日のために合わせてきた。絶対に諦めるわけにはいかない頂が目の前にあり、そして栄光をつかみ取ると心の中で誓った。

とうとうこの日がやってきた。24日の金曜日は五十日(ごとおび)前ということもあって首都高は激込みで

あったけど、下道行ったら何時つくか分からないし、そのまま流れに身をゆだねるしかなかった。当初の予定では21:00分くらいには富士スバルライン5合目到着と思っていたが渋滞にはまりまくってしてしまい、到着はまさかの22:10! また、5合目駐車場は満車とのことで1.6km離れた下の方の駐車場に駐車することになり余計に体力を消耗することとなる。登山シーズンは早めに現地に到着しておかないとこういう事態になるので気を付けておいた方がいいです。

8/24 23:00

会社終わりでそのまま来たので12名のスーツ姿の男達が5合目に出現したのは周囲の人をビックリさせたようだ。時間もないので登山スタイルにソッコーで着替え登山口に集合する。他の車が遅れていることもありしばしの休憩。(既に重い荷物で1.6km歩いてきた)他の登山者達は「エイエイ!オー!」とか奇声を発しながら登山口へと消えていく。ちょっと体育会系のノリが面白い。自分たちは0:30位までそこらへんをぶらぶらしたりトイレに行ったりと高度順応をさせて出発をした。

08/25 1:30

河口湖ルートは最初、まさかの下り坂が続く。暗くて周りは殆ど見えないが、その分星が綺麗に輝いている。他の人達がすごい勢いで登っていくが抜かれても決して焦ってはいけないらしい。下りとは言えここは高度2000mを超えているので、わざと足を引きずるかのように歩く。外国人の人も多く、中国語・韓国語・英語と様々な言語が飛び交っている。外国人は本当に陽気だ。若干の登りを過ぎると難なく6合目に到着。オーバーペースにならないように常にテンション下げ気味を心かけた。とにかくこれから先はかなり長いので前半で体力を使ってしまうと後で大変な事になる。登山とはいかにエネルギー消耗を少なくして登るのか?鍵だ。出来るだけ省エネ運転をすることで長い距離を登ることができる。

08/25 3:00

6合目~7合目ここの区間が本当に辛かった、真っ暗でヘッドライトの明かりで行動しているが、周りが上手く見渡せない苛立ちと、緊張と高山病からつと思われる吐き気や眠気が一気に襲ってきて、本当に辛かった。12名いる隊のうちの1番目のリタイア者にはなりたくなかったし、本8合あたりまで行かないと下山道とは交わらないと知り、登り続けるしかなかった。とにかく深呼吸を続け酸素を体内に取り込もうと努力し続けた。

2012/8/25 5:00

8合目まで辿りつきもう日の出まで時間がないので歩みを止めて日の出を待つ。動きを止めると身体が冷めるので、それを防止するため、カッパを着込みホカロンを2つ装着、毛糸の帽子にネックウォーマーで暖を取る。おにぎりでも食べるかとザックから出すもののキンキンに冷えているので躊躇ったが、バーナーを出し、水を暖めそこに「シーチキンマヨネーズおにぎり」をブッ込んで更に加熱した。はっきり言って決して美味しいとは言えない「シーチキンマヨネーズおにぎりがゆ」は身体を芯から温め、気持ちも楽にしてくれた。公園でバナーの使い方を練習しておいて良かった。このおかゆを食べたことで身体の不調が一気に回復した。

2012/08/25 5:10

そして日の出。東の空は絶妙なコントラストを描き始め、11秒色を変化させていく。朝日で次第に周りが赤く照らされてテンションがMAXになっていく。腹も一杯で身体が段々と息を吹き返してくる。たった15分くらいの間で完全に体調が回復する。むしろ回復というより「超・MAX・スーパー元気」になってしまった。

「これは絶対に行ける!」この瞬間そう思った。

運命の別れ道

08/25 7:00

頭の中ではB’zの「さまよえる青い弾丸」が鳴り響く、本8合目(色々な合目がある)まで対して休憩を入れる訳でもなく歩みを進める。さっきまでの苦痛は一気に消え去りすがすがしい。スキップしながら登りたいくらいだ。考えてみればここまで体力をかなり温存してきた。常に後ろを歩きテンション上げないために、小学生の時になくなったペットの「ピーちゃん(鳥)」の事を思い浮かべ登ってきた。

ここで股関節が痛いという後輩がリタイアを決断1名の脱落者が出た。後輩は本八合目から連絡通路みたいになっている下山道へと進んでいった。全員で頂上まで行きたかったが苦渋の決断。無理に頂上まで行ったとしても下山まで耐えられるかどうか分からないし、こういう長丁場の登山では決断を早くあしなければいけないのである。

実はさっきから風景が変わらない。

08/25 9:00

 

頂上まであと数百mという所で後続を待つ。日の出以来絶好調のおいらは9合目、95勺と大した休憩を入れることもなく突き進む。あともう少しという所でふっと我に返り、みんなが登ってくるのを岩に腰掛待った。時間にして50分くらいは待っていただろうか?ほぼ山頂()からの眺めをずっと楽しんでいた。そしてついに!

登頂成功!

練習の成果を出したぞ。

1名の脱落者が出たものの、12名中11名が成功したのは立派である。山頂で固い握手をしたり写真を撮りまくったりしながら喜びを分かち合った。本当に素晴らしい隊である。お釜(頂上にある噴火口のこと)のそばに腰掛け休憩をして水分を摂ったりカップラーメンを食べたりしながら、ここのまでの道程の辛さや笑い話に花を咲かせた。

天候は驚くほど良好で、「無風?」なんじゃないの?と思うほど風がなく空は抜けるように青い。頂上はかなりの強風で寒いと聞いていたので、今日は凄いラッキーだったのかもしれない。遠くに本当の頂上の剣が峰が見える。往復で1時間掛かるらしいが今回は止めておいた。自分は「超・MAX・スーパー元気」だが、周りは明らかに疲労困憊している。そして1時間ちょっと休憩をして山頂まを後にした。

08/25 10:30

「下山道ってどうしてこんなにつまらないんだろうか?」っていう言葉では表現しきれないほどつまらない・飽きる・疲れる。富士山の河口湖ルートの下山道は砂漠の中をトボトボ歩いているかのような錯覚を覚える。ゴールっぽい建物は初めから見えてるのにいっこうにたどり着く気配がなく、ただひたすらZIGZAG道を進む。途中に山小屋はない。トイレも相当下(半端なく遠い)まで行かなければない。何もない。のである。ただの砂なら適当に歩けば良いのだが拳大の石がごろごろしているので気を抜くことも出来ず本当に困ったものである。

08/25 14:00

遠い下の方に見えたトイレに到着し、ここから少し歩けば登山口だななんて、たかを括っていたらなんてことはないまだまだ続く。のぼり初めの登山道に合流し、今度は逆に地味ぃーな上り坂を登らなければいけない。この辺りで「本日山小屋に泊まるんだろうな」と思われるツアー客と沢山すれ違う。彼らや山ガールの顔は生き生きとしており笑顔も絶えない。これから待ち受ける登り、明日の下りは本当に辛いと伝えてあげたかったが、そっとしておいてあげた()

そして遂に、戻ってまいりました5合目登山口!!

夜中とは違って激混みの5合目は暑くて大変。到着後すぐにCCレモンで喉を潤す。本当に長い道のりだった。みんな揃ったところで記念撮影をしたり、一人リタイアした後輩のZIGZAG話を聞いたりした。(股関節が痛くてあの下山道は本当に辛かったろうに・・・)そして砂まみれ・汗まみれの身体を綺麗にするために温泉へ移動!

と思ったけど・・・・ここから駐車場まで1.6km歩かなくてはいけない・・・・・・。つらい・・・・・・。

(後でわかったけど、無料シャトルバスがあったらしいし、タクシーでも乗ればよかったと後悔↓)

08/25 18:00

そして「ふじやま温泉」に集合しみんなで汗を流した。思い思いの食事を堪能し、アルコールフリーを堪能し(泣)休憩をした。数時間仮眠でもしてから夜に河口湖を出発しようと思っていたが、一旦寝てしまうと起きる自信もなかったので心を鬼にして出発。中央道へと車をすべらせた。

08/25 21:30

中央道は予想通りの激混み・・・・。渋滞20kmとかマジ途方にくれるレベルだったが5人も乗っていれば誰かが話題を提供するので車中は面白おかしく過ごせていた。そして21:00に品川駅に到着。みんなを下してまた一人首都高に乗り自宅到着は21:30となった。

本当に1回は登ってみたかった「富士山」。1度は諦めかけたけどギブアップしなくて本当に良かった。毎年何万人(何十万人?)という人が富士山に登り、本当に観光地化しているのだろうけど、実際登ってみると軽い気持ちでは登ることは出来ないし、それなりの達成感はある。富士山について色々と書かれているが1度登ってみたいと思っている人は是非おススメします。

だってそこは・・・・・

日本で一番高い場所だから!

この話で分かったこと

  • 富士登山をするときは早めに現地入りしておくこと
  • 現地についたら高度順応のための時間をとる
  • オーバーペースにならないようにゆっくり登る
  • ゆっくり登れば高山病も回避できる
  • 下りの方が本当に辛いよ!

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なし

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